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何日たったかわからない。
逃げなきゃ…前みたいに助けはこない…
私はチハヤが寝た隙に、ドアに向かって走り出した。
「無駄だよ。」
チハヤは私の片足に巻いてあった紐を引っ張る。
私はそのまま床に転がった。
「逃げ出そうって考える余裕がまだあるんだね。」
チハヤは私の手を取るとニヤリと笑う。
「もうやめて!」私は叫んだ。
ガチャン!大きな音がして急にドアが開いた。
「クミちゃん!」
レンが駆け寄って来る。
「開かないはずじゃ…」
チハヤは私を抱き上げ後退りした。
「時間がかかったけど、鍵を壊して開けてもらった。
もう逃げ場はないぞ!クミちゃんを返せ!」
レンがジリジリと追いつめる。
それを見た警官が、危険だからとレンを止めに入った。
警官は「チハヤさん、抵抗するのはやめなさい!」と言って拳銃を構える。
「何で俺はクミちゃんから引き離させられるんだ?
クミちゃんは俺のだということが何故わからない!」
チハヤはそう叫んだ。
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