先輩

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毎朝、レン先輩は私に近づくと「今日も可愛いね。好きだよ!」そう言ってにっこり笑う。 学校まで他愛もない会話をしながら登校するのが毎日の日課になっている。 帰りも先輩は、靴箱前でいつも待ってくれている。 友達から「彼氏いたんだね。」と言われたことがあった。 私が「違うよ。」と答えると不思議そうな顔をされた。 「一緒に毎日登下校してるんだよね? それって、付き合ってるのと同じじゃん。」そう言われてもピンとこない。 登下校を一緒にしたから付き合ってる? 毎日男の子と帰れば、付き合ってることになるのだろうか? 私は先輩に聞いてみた。 先輩は「う〜ん、友達には付き合ってるって言ってたらいいんじゃない?」とさほど気にした様子もない。 「こちらが否定するほうが何度も聞いてこられて大変なんじゃないかな?」と言われ、 私は付き合ってると言うことにした。 先輩が言っていた通り、友達は納得してそれ以上聞いてくることはなかった。
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