私と本ときどき持病

3/4
前へ
/4ページ
次へ
 やがて、大学受験の時期となりました。私は悩みに悩んで法学部を選びました。ミステリー小説では、犯人が捕まるところまでしか書きません。では、実際に犯罪を犯した人はその後どうなるのか。それが気になったのです。  そして、就職活動の時期になると、私は現実を知りました。持病があるため、不規則な生活は出来ません。本が好きだった私は、出版業界への道を諦めざるをえませんでした。持病の関係で障害者手帳を持っていましたが、障がい者枠で採用されることはありませんでした。身体的障害とは違い、目に見えない障害だからです。  そして、1年間、仕事も勉強もせず生きることとなりました。この時期が人生で一番辛かったです。仕事が出来ず、自立ができない。両親は理解を示してくれましたが、私は思いました。自分に生きる価値はあるのだろうかと。  翌年、運のいいことに障がい者枠で採用となりました。今でもその会社に勤めています。ありがたいことです。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加