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百円ショップでの代金をユミカはかたくなに受け取らないと言うので、代わりにカラオケで食べるお菓子をおごることにした。おせんべいと一口サイズのチョコ菓子、それからお昼用のおにぎりを二つ買うと、ユミカと一緒に行きつけのカラオケに入った。
お互いにお昼をさっさと済ませると、ユミカはトートバッグから先ほど買ったシールやマステ、ノートの他に大きめのポーチを取り出した。中からは使いかけのシートシールや開封済みのフレークシールがでてくる。ほかにもカラフルな折り紙に英字新聞の破れたものがでてくるでてくる。
「ユミカ、塾に行くつもりじゃなかったの?」
「塾はあるけど、最初からサボるつもりだったからね」
ユミカはそう言うと、もう一冊のノートを取りだした。それは横長のスケッチブックだった。全部のページを使いきっているようで、ずいぶん丸々とふっくらしている。
「アタシの作品。あまり見れたもんじゃないんだけど」
「絵?」
「ううん、コラージュだよ」
私はおどろき半分期待半分でスケッチブックを開く。そこにはいろんな素材が敷き詰められた一つの世界があった。
「すご……なにこれ」
私は無心でスケッチブックをめくった。
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