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私は、韓国アイドルになるために弓道部をやめダンスレッスンとボイストレーニングに専念した。
歌いすぎたのかいつの間にか私のカバンの中にはのど飴がいつも入っている。学校が終わったらすぐにダンスレッスンとボイストレーニングに行くため不二先輩との会話も気づけば少なくなっていた。
流石にやり過ぎも良くないため、木曜日の練習はオフになった。
そのため、木曜日は韓国語と英語の勉強。
韓国への行き方など韓国アイドルの知識と韓国の文化や言語、人への接し方を独学で学んだ。
今の時代、男性ファンが少なくなったためリカちゃん人形のようなスタイルが求められる。
ダンスレッスンを受けていると自然と痩せてくるのでスタイルに悩むことはなかった。
一番いいのはスカウトを受けることだが、私はきっとスカウトは来ないと思い一生懸命みんなに認められるアイドルになれるように努力した。
「 ..あの子大丈夫かな 」
「 ん?どうしたの不二〜 」
「 あぁ、英二。否ね、最近〇〇辛そうなんだ 」
「 〇〇ちゃん?そうかにゃ〜辛そうには見えないけど.. 」
「 辛そうだよ。前よりも痩せた気がするし 」
「 えっ不二知らないの? 」
「 ん?何がだい? 」
「 〇〇ちゃん韓国アイドル目指してるんだって!! 」
「 え? 」
木曜日の放課後、私はあまり人が通らない空き教室に呼び出された。
不二先輩からの呼び出しなんて珍しい。
本当は帰っていろいろやりたかったけど流石にあそこの空き教室でずっと待たせるのは後輩としてと思い空き教室に足を運んだ。
空き教室の扉を開けようとすると、不二先輩が私に気づいて扉を開けてくれた。
「 すみません、少し遅れました 」
「 良いんだよ僕もさっき来たところだしさ? 」
不二先輩は見慣れた笑顔で私を空き教室の中へ手を引いた。
扉が閉まり、お互い向かい合わせで椅子に座った。
私が口を開こうとした瞬間不二先輩が先に口を開いた。
「 どうして、僕に隠してたんだい? 」
「 えっ..何を... 」
「 アイドルになりたい。という事を 」
不二先輩の口から出た言葉は、知られたくない事だった。
どうして知っているのか、誰から聞いたのか、聞きたいことは沢山あるが今はそれどころではなかった。
焦りと困惑で言葉を紡いでも伝わらないと気がした。
「 えっぁ.. 」
「 英二から聞いたよ。何で隠してたの? 」
まずまず菊丸先輩もなんで知っているんだろう。
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