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初恋。By仁王雅治
初恋。
それは、初な恋。
私はそれを今体験している。
「 仁王、分からないとこがあって 」
「 ん?どれじゃ、見せてみんしゃい。 」
「 ここなんだけど... 」
「 あぁ、そこか..そこはなぁ、 」
この人だ。
私が初めて好きになった人。
いつ好きになったかは覚えていないが一年のときから好きだったのは覚えいる。
一年のときから先輩にもモテていた仁王は女に困らなかったらしい。
これがイケメンと言うやつか、なんて思いながら特に嫉妬などはしなかった。
「 あ、そういう事か。有難う仁王 」
「 ん。また困ったらいつでも頼りんしゃい 」
「 うん 」
でも最近は、嫉妬心で
心がいっぱいだ。
いつも仁王をみると心臓の奥がズキッと痛む。
嫉妬の感情と好きの感情がぐちゃぐちゃに混ざったみたいで良く分からない。
家に帰って色々調べてみるけど、
「押して駄目なら引いてみろ」とか「好きな人に振り向いてもらう最短の方法」とか、そういうのしか出てこない。
小さくため息をついてスマホの電源を落とした。
押して駄目なら引いてみろ..押してもないのにできるのか?
恋愛ってほんとに良くわからない。
でも、片思いしてるときが一番楽しいなんて考えは少し理解できる気がした。
「 確かに、今..結構楽しいかも 」
なんて、そんな考えはすぐに消された。
楽しくない。正直めっちゃ辛い。
いつ仁王に彼女ができてもおかしくないし、好きな人ができてもおかしくない。
むしろ出来ないのが驚きだ。
なんて考えているうちに瞼が重くなってきて、気づけば深い眠りについていた。
「 ね、眠い 」
次の日、有り得ないくらいの眠気に襲われた。
昨日はたくさん寝たはずだから眠くはならないはずなのに。
でも昨日は夢を見ていた。
聞いたことがある、夢を見ていると熟睡できていない証拠だって。
こういう説は信じない性格だが、今回ばかりは信じてしまう。
「 今日は..練習あるかぁ.. 」
本当は家に帰って寝たい。
でも、一応マネージャーだから嫌でも部活に参加しなければならなかった。
幸村に抗議をしてみたが圧が怖くてその抗議は2分くらいで終わった。
放課後になり重い足取りでテニスコートに向かおうとした時、
「 〇〇 」
聞き慣れた声。でも、その声を聞くだけで心臓がさっきよりも跳ねる。
「 仁王、どうしたの? 」
好きな人がいる方に振り向きいつもと変わらないトーンで彼の呼びかけに応えた。
いつも仁王に向けている表情はできているのだろうかを不安を抱えながら見詰め合う。
心臓がドクドクと鳴っていてうるさい。
私が15年間生きてきた中で初めて音が聞こえるくらいに心臓が鳴っている気がする。
「 今日、一緒にサボらんか? 」
「 ....は? 」
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