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狂恋がお気に入りの彼氏さん。 By 柳蓮二
世の中には、様々な愛の種類がある。
エロス、フィリア、ルダス、アガペー、プラグマ、フィラウティア、ストルゲー、マニア。
一つ一つ意味を持ってこの名前が生まれた。
でも、私達はどれにも当てはまらない。
「キョウレン」これが、私達に当てはまる愛なんじゃないか。
お洒落な名前だが、意味を知ってしまえばそんな考えは無くなる。
狂恋。
狂気的な愛。
狂う程に愛している。
言わば、依存しすぎた愛だ。
柳蓮二。
この人は狂恋を深く気に入っているらしい。
狂う程に愛されてるなんて羨ましいと思う人が多いと思う。
私も昔は少しだけ憧れていたが、いざ自分が狂恋される側になると分かる。
思っていた以上に早く相手に堕ちると言うことを。
「 〇〇 」
「 ん?なぁに柳 」
語尾にハートが付いているんじゃないかと思う程甘く、蕩けた声で私の名前を呼ぶ。
「 あぁ..本当に〇〇は愛らしいな、可愛い 」
「 有難う、柳もかっこいいよ? 」
柳が褒めてくれたので褒め返すと、余程嬉しかったのか蕩けた顔で膝の上に乗っていた私をぎゅっと抱き締めた。
今はもう慣れているが、柳の蕩けた顔を見た時には言葉を失った。
そんな間抜けな顔をしていてもイケメンとか大罪だよ、なんて思ったりもした。
完全にホールドされている為逃げ出そうにも逃げ出せない。
元々逃げるつもりなんてないんだけどね。
柳は身長が高いから座って抱き締められても、私の頭は胸らへんにある。
でも、私はこの位置が好きだ。
柳の心臓の音がよく聞こえるから。
「 柳の心臓の音っていつも正常だよね 」
「 正常? 」
「 うん、一定のリズムで鳴ってるからさ 」
「 そうなのか 」
「 うん、だから柳は健康だね 」
狂恋と言っても、想像しているくらいに狂った愛と言ったら嘘になるかもしれない。
他愛もない会話をして、普通に学校に行って、部活をして、夜は美味しく頂かれる。
休日は柳の調子によって頂かれたりリラックスしたりする。
多分今日は頂かれる日だ。
お酒を飲んで完全に酔っ払ったかのように頬や額にキスをしてくる。
焦らされているのかは分からないが、唇にキスはされない。
「 ..なぁ〇〇っ 」
「 ...いーよ、ご馳走しますよ〜 」
「 ん。察しが良いな、 」
「 そりゃあねぇ 」
「 じゃあ..頂きます 」
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