雪山で遭難しかけたら、ギャルメイクをした雪女たちが現れた

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「ところでさ。オレ山岳救助隊なんだけど、ここらで遭難者を見かけなかったか?」 「オッサンのことだろ?」 「いや、オレじゃなくて!」  オレも遭難しかけてるけど! 「いや、見てねーよ」  雪女の一人が首を振った。 「見てないか……」  がっくり肩を落とすオレに、もう一人の雪女が言った。 「ちょっと待って。アレじゃね? ここに来る途中、なんか大きな物体が埋もれてなかった?」 「ああ、そういやなんか雪に埋もれてたな。黒い物体が」 「てっきり、ぬらりひょんのジジイが雪山でテンションあがって雪の中にダイブしてるのかと思ったぜ」  ぬらりひょんのジジイって……。  でももしかしたらそれがオレたちの探していた遭難者かもしれない。  わずかな可能性を信じてオレは雪女たちに手を合わせた。 「なあ、お願いがあるんだが、そこまで案内してくれないか?」  てっきり嫌な顔して断られるかと思いきや、雪女ギャルたちは「別にいいけど」とあっさり了承した。 「い、いいの?」 「でも、あたいらの案内料は高いぜ?」 「た、高いってなにが?」  金か?  雪女のくせに金が欲しいのか? 「そーだなー。案内料はあんたの50年分の寿命かな」 「あは! いーね、それ!」 「吸われた瞬間、ポックリいったりして」  一気に血の気が引いた。  そういえば雪女って男の生気を吸い取るんだっけ? 「い、いや、さすがに50年分の寿命はちょっと……」  思わず身構えると、雪女ギャルたちは「ぎゃははははは」と笑った。 「冗談だよ、冗談!」 「本気にすんなし! んなことするわけないじゃん!」 「ヤバーい、超カワイイんですけどー!」  カワイイ言われた……。  っていうか雪女ジョークは本気なのか冗談なのか区別がつかん。 「ほら、案内するからついて来て」  雪女たちが歩き出したので、オレは恐る恐るついていった。  本気であったとしても、このままここにいたらどのみち死ぬしかない。  サクサクと軽快に歩く彼女たちのあとをオレは必死に追いかけた。
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