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1、ポイントを集めよ!
私は23歳だ。社内でも1番若い新入社員だ。
女は若い方がいいに決まっている。これで+1ポイント。
私はなかなかの美人だ。
女は顔が綺麗な方がいいに決まっている。これで+1ポイント。
私はあまり利口ではない。Fラン大出身だ。
女はバカの方が可愛い。これで+1ポイント。
私は下町に住んでいる。
女は「嫁は格下からもらえ」という格言もある。これで+1ポイント。
私は愛嬌がある。
女は愛嬌、男は度胸、オカマは最強!これで+1ポイント。
……これ以外に何かあるかな?と葉月は考えた。自分のアピールポイントを数えても片手の指5本で足りてしまう。
キラキラ輝くビーズのように、もっと自分を際立たせるためのポイントを集めなければならない。
葉月のインスピレーションが、受け止めている愛がある。
勘違いなんかじゃない。絶対に絶対に勘違いなんかじゃない。あの男性は、私を絶対愛している。今は、そうじゃなくても、きっとそうなる。だって、運命だから。運命だって私には伝わっているから。運命は変えられないんだよ。
こんなことを言ったってアタオカ扱いされるだけだ。
でも、本当に好きなのだ。一目惚れ。絶対譲れない。いや、絶対に譲って頂く。
斎藤葉月は熱い想いを胸に抱いていた。
春に入社した会社で葉月は「運命の男性」に会ってしまった。同じ職場の男性社員だ。
相手は28歳、独身。名前は鵜川翔太という。特別にイケメンというわけでもない。でも、葉月には後光が差しているように見えた。葉月は、直ぐに彼の情報収集を開始した。
それで確認した事は、鵜川には既にお付き合いしている女性がいるという事だった。
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