1、ポイントを集めよ!

1/1
前へ
/15ページ
次へ

1、ポイントを集めよ!

 私は23歳だ。社内でも1番若い新入社員だ。 女は若い方がいいに決まっている。これで+1ポイント。  私はなかなかの美人だ。 女は顔が綺麗な方がいいに決まっている。これで+1ポイント。  私はあまり利口ではない。Fラン大出身だ。 女はバカの方が可愛い。これで+1ポイント。  私は下町に住んでいる。 女は「嫁は格下からもらえ」という格言もある。これで+1ポイント。  私は愛嬌がある。 女は愛嬌、男は度胸、オカマは最強!これで+1ポイント。 ……これ以外に何かあるかな?と葉月は考えた。自分のアピールポイントを数えても片手の指5本で足りてしまう。 キラキラ輝くビーズのように、もっと自分を際立たせるためのポイントを集めなければならない。 葉月のインスピレーションが、受け止めている愛がある。  勘違いなんかじゃない。絶対に絶対に勘違いなんかじゃない。あの男性(ひと)は、私を絶対愛している。今は、そうじゃなくても、きっとそうなる。だって、運命だから。運命だって私には伝わっているから。運命は変えられないんだよ。  こんなことを言ったってアタオカ扱いされるだけだ。 でも、本当に好きなのだ。一目惚れ。絶対譲れない。いや、絶対に譲って頂く。 斎藤葉月(さいとうはづき)は熱い想いを胸に抱いていた。  春に入社した会社で葉月は「運命の男性(ひと)」に会ってしまった。同じ職場の男性社員だ。 相手は28歳、独身。名前は鵜川翔太(うがわしょうた)という。特別にイケメンというわけでもない。でも、葉月には後光が差しているように見えた。葉月は、直ぐに彼の情報収集を開始した。    それで確認した事は、鵜川には既にお付き合いしている女性(ひと)がいるという事だった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加