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「気持ちはわかるがやめなさい、ルチア」
「まぁ、豪華かは別としても殿下は幼馴染だから食卓にいてもおかしくはないんじゃないか?」
その指摘に苦々しい顔をするお父様と、冷静に考察するお兄様。
そんな二人をギロリと睨み黙らせている間、殿下はふかしたジャガイモを頬張っていた。
“別に我が家は決して貧乏ではないけど、騎士の家系のせいか少しこう……武骨な料理というか”
素材そのものというか。
シンプルを極めたその料理は、華やかな王城で暮らす殿下とはかなりミスマッチに見えた。
「あ、僕のことはあの時みたいにジルドルと呼んでもいいからね。でもそれだとルチアが王族の名前を間違って覚えてるように聞こえるから、ジルって短く呼ぶのはどうかな」
「それ殿下の愛称ですよね!? 王妃殿下に呼ばれてるの聞いたことあるんですけどっ」
当の本人はしれっととんでもない提案をしてきて頭が痛い。
“確かに幼馴染みと言われればそうなんだけど”
我がコンタリーニ家は表では王家の盾、そして裏では王家の影として国を支えて来た。
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