彼女の背には羽を、そして世界は終わりを告げる

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 気が付くと、どこもかしこも体中が痛かった。  足の間は酷使されすぎて痛みなんかとっくに麻痺してた。  あとたぶん股に限らず体中がべたべたしているはずだ。  もうわかんないけど。  ろくに目も見えなくて、空は曇っていると思ったけど、もしかしたら晴れているのかもしれなかった。  耳だっておかしくなっているはずなのに、それでも空からこの世のものとも思えないほど美しい歌が聞こえてきて、たぶんそれは終わりゆく世界への鎮魂歌で、きっとその中に彼女もいて、彼女も歌っているんだと思った。  ああ、本当に世界は理不尽でクソみたいで最悪だ。  でも、終わるときだけは、きれい――
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