彼女の背には羽を、そして世界は終わりを告げる

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 アナウンスから何日かして、世界中に翼の生えた人々が現れた。  翼が生えた人はどうやらランダムか、さもなくば全体からまんべんなく、という感じらしい。  年寄りも子どもも、男も女も、あるいはそれに分類できないような人も、美醜も、人種も、なにもかもごちゃ混ぜで共通点が見つからなかったらしい。  しいていうなら、ありとあらゆる人々から平等に。  そして、彼女の背にも、翼が生えた。  はじめから、彼女はいつかいなくなる、飽きられて会わなくなると思っていたけど、でもこういう奪われ方は想像もしてなかった。  ああ、本当に世界は理不尽でクソみたいで最悪だ。
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