妖麗な少女

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「…………あの、貴女は……?」  ともあれ、そう問い掛けてみる。尤も、以前お会いしていたら申し訳ないけれど……でも、きっと違う。例え一度だけでも、これほどに鮮烈な少女と会っていたら流石に覚えていないはずないと思うし。ともあれ、僕の問いに少女は―― 「……そうね。私のことは、アリサと呼んでもらえると嬉しいわ。宜しくね、神月(こうづき)真音(まお)さん?」 「…………どうして、僕の……いえ、何でもないです」  そう、ニッコリと微笑み告げる。どうして、僕の名前を――そんな彼女に、そう尋ねようとして止める僕。聞いたところで、きっと意味のない――と言うか、理由なんてどうでも良いと思ってしまったから。  まあ、それはともあれ……アリサさん、か。うん、やはり覚えがない。それほど珍しい名前ではないと思うけど、僕の記憶には見当たらないし――そもそも、僕の問いに疑念も不服も抱かず名乗ってくれてる時点で、やはり初対面と考えて差し支えないだろうし。 「……あの、アリサさん。それで、願いとはいったい何のことでしょう?」  ともあれ、本題へ戻るべく尋ねる。そう、そもそも願いとはいったい何のことで―― 「――ええ、言葉の通りよ真音。貴方の願いを、何でも一つ叶えてあげる。それが、私の願いでもあるのですから」  
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