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「いいんだ。あって困る物ではないだろう。それにしばらく会えなくなるんだ、衣装くらい送ってもいいだろう」
拗ねたように唇を尖らせる。
「衣装だけは無かったですよね? 僕は勉強をしに行くんですよ」
部屋には贈り物として衣装の他に菓子も届けられていた。
「焼き菓子は好きだろう?」
「好きだけど、持っていくのは少しにするよ。残りはエッテにあげるからね」
末の妹は6歳になったばかりでとても可愛い。成長した姿が今からとても楽しみだ。男兄弟で、年の離れた唯一の女児は皆に可愛がられている。
「わざわざシュリベリアなんて遠いところに行かなくても、リリアでも十分勉強はできるだろう?」
「納得してくれたと思っていたのだけど」
「納得はしていない。俺はリュクアにはずっと側にいて欲しいんだ」
「兄様は僕を甘やかしすぎですよ。そろそろ仕事に戻るのでしょう?」
エリクアは外交の仕事の傍ら貿易の仕事もしている。外交はまだ見習いではあるが、貿易に関してはその天賦の才を行かして順調に功績を伸ばしている。今回はその貿易商の仕事で、新たな輸入商品の開拓と輸出先の開拓に出向くということだった。
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