『贖罪』

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 シャルサウベーグの国王は父と年の近い国王だ。  温厚な人柄で、公平な判断ができるとして議長を何年も務めている。  馬車は別だったか、一日かけてリリアに共に向かった。 「リュクア、よく帰ってきました」 「お母様、ご無沙汰しております。ご心配をおかけして申し訳ありません」  夜に着いたというのに母は喜んで迎えてくれた。 「温かい紅茶を用意しています。お部屋でゆっくりして、明日にはまた顔を見せてください」  そう言って僕を抱き締めると、「ゆっくり休みなさい」と言って離れた。  僕の部屋は左右に羽を広げた城の構造の左翼側にある。屋上には庭園があってそこが僕のお気に入りだ。  変わってなければいい。  部屋は以前に使っていた部屋と同じだ。  1年以上も留守にしていたのに綺麗に掃除がされて、花瓶には瑞々しい花が活けられてあった。  不思議に思うほどほっとする。  一緒に帰って来たナーシャは他の侍女と忙しそうに荷解きをしている。 「ナーシャ、上の風呂に入りたいんだけど」 「申し訳ございません。着替えをすぐにお持ちします」  段下にはレイの部屋があるのだろう。
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