『贖罪』

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 ナーシャは返事をして僕の荷物を受け取ると一緒に部屋に帰った。  部屋の中はすっかり片づけられていた。数日だけの滞在の予定だから荷物は少ない。課題を出されてはいるが、城内の図書室の資料があればすぐ終わるだろう。  ナーシャにもう寝るから下がってもらい、奥の寝室のベッドに潜り込んだ。  久々の自室のベッドはやはり馴染みがあって、すぐに眠りについた。 「やはり、リリアの方が体調も整うのですよ。よくお休みになれたみたいで安心しました」  朝食は部屋に運んでもらった。小さなテーブルに朝食を広げて食べているとナーシャは嬉しそうにそう言った。 「食後に国王様に帰国の報告に参ります。その後にシャルサウベーグ国王と共に昼食会が予定されています」 「昼食会に僕は行かない。部屋にいる」 「駄目ですよ。リュート様が強制参加だとおっしゃられていました」  顔を顰めた。 「シャルサウベーグ国王には昨日も会ったし、僕は関係ないだろう」 「駄目ですよ。それに、私はレイ様にお会いできるのを楽しみにしています。お人形のようにとても綺麗な方だそうですよ」 「そうなんだ」  兄様は怖がりで懐かないと言っていた。
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