370人が本棚に入れています
本棚に追加
ナーシャは返事をして僕の荷物を受け取ると一緒に部屋に帰った。
部屋の中はすっかり片づけられていた。数日だけの滞在の予定だから荷物は少ない。課題を出されてはいるが、城内の図書室の資料があればすぐ終わるだろう。
ナーシャにもう寝るから下がってもらい、奥の寝室のベッドに潜り込んだ。
久々の自室のベッドはやはり馴染みがあって、すぐに眠りについた。
「やはり、リリアの方が体調も整うのですよ。よくお休みになれたみたいで安心しました」
朝食は部屋に運んでもらった。小さなテーブルに朝食を広げて食べているとナーシャは嬉しそうにそう言った。
「食後に国王様に帰国の報告に参ります。その後にシャルサウベーグ国王と共に昼食会が予定されています」
「昼食会に僕は行かない。部屋にいる」
「駄目ですよ。リュート様が強制参加だとおっしゃられていました」
顔を顰めた。
「シャルサウベーグ国王には昨日も会ったし、僕は関係ないだろう」
「駄目ですよ。それに、私はレイ様にお会いできるのを楽しみにしています。お人形のようにとても綺麗な方だそうですよ」
「そうなんだ」
兄様は怖がりで懐かないと言っていた。
最初のコメントを投稿しよう!