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「これまでの事はリュート兄様から報告書を頂いているので知っています。まだ本人には会っていないので、なんとも言えませんが……」
「リュクアは相変わらず真面目だな。そんなに気張らなくていい」
父は手を伸ばして僕の頭を撫でた。
「ここには療養に戻って来たと思ってゆっくりすればいい」
「ありがとうございます」
笑顔を見せると安心したのだろう表情が緩んだ。
権勢を振るう父王は現役で国を動かしている。
エリクアが不在で外交はリュートが担っているが、国の全てを治めていて厳しい表情をしていることが多いが、家族には今のように柔らかい表情を見せてくれる。
シュリベリアでの生活や研究に付いてしばらく話していたが、ノックによって話は切り上げられた。
「リュクア、ここだったのか。よく帰った」
入って来たのはリュートだった。すぐに僕の側まで来ると頭を撫でた。
「ご心配おかけしました。あまり大げさに伝えないでくださいよ。父様や母様に大分心配されてしまいました」
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