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「シュリベリアに薬品を取りに行くのはあいつが志願したんだ。受けるはずだ」
「志願?」
クレアは自分からシュリベリアに来たということだろうか。
「しばらく会っていないから、自分がリュクアの様子を見てくると言ってシュリベリアに向かったんだ」
「そんなことクレアは言ってなかった」
「シュリベリアからの報告文にはお前は大分体調が悪いと書かれていて、お前からの手紙や報告とは大分差があったから確認したかったんだ。クレアを直接行かせてよかった。しばらくは療養しろ」
リュートは再び僕の頭を撫でた。
「僕がシュリベリアに戻る許可は頂けないのでしょうから、しばらくはここにいます。課題も出されているので、部屋か図書室にいますよ。護衛は必要ありません」
強く言い返すと、「絶対に一人にはなるなよ。危険なところには近づくな」とリュートは言い返した。
「兄様、子どもではないので大丈夫です」
「エクリアより過保護じゃないか?」
父がそう言って笑った。
「兄様達は僕を心配しすぎですよ」
「用心に越したことは無い」
リュートは笑いながら両手を広げて僕に正面から抱き付いた。
「兄様、兄様っ。ふざけないでください」
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