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「クレア、ごきげんよう。昨日は、ありがとう」
声を掛けると、「礼を言われる程ではありません。失礼します」とさっと身を交わして通り抜けて行った。
たったこれだけの会話なのに胸は高鳴った。
数メートルの距離に戸惑ってしまった。振り返ってその背中を見送る。
「クレア様は以前より雄々しくなりましたね」
ナーシャは頬を染めている。
そうだろう。クレアは女性からみれば魅力的な男性だ。騎士という称号を持つα。僕なんて相手にしなくても十分相手には困らない。
「ナーシャやっぱり部屋に帰りたい」
「駄目ですよ。テラスはすぐそこです。ローラン妃もエッテ様もお待ちですよ」
ナーシャに背中を押されるようにしてようやく昼食会の行われる部屋に向かった。
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