『対面』

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『対面』

「……ア兄様、リュクア兄様っ」 「え、ああ。エッテ、どうした?」  声を掛けられていたのに気が付かなかった。  昼食後のお茶会はバラ園で行われた。庭にいくつもテーブル席が用意されてお菓子やお茶が振舞われた。  僕がお土産として厨房に持って行かせた紅茶も出されていた。 「リュクア兄様もレイ兄様が好きなの?」 「好き?」  エッテはニコニコと笑って、「私は大好きなの。一緒にお勉強もしてくれる」と自慢した。 「そうなのか」 「レイさんは地下で監禁されていて、本でしか勉強をされたことがなくて、エッテと一緒にダレンと勉強をしているのです」  母に説明された。 「リュート兄様に聞きました。素晴らしい知識の持ち主だと」 「ええ。そのようです。語学に興味があるようですが、読めても発音ができないそうで、今は発音に付いて熱心に勉強しています」  今はシャルサウベーグ国王とリュートの三人で話し込んでいる。  ダレンと何時間でも話をできるほどだからよっぽど勉強熱心なのだろう。 「僕は語学はあまり得意ではないので、資料を訳すのが大変ですよ」  母は笑って紅茶を口に運んだ。  琥珀色の紅茶は僕が持ち帰ったものだ。
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