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『たぁ!やぁ!』
大勢の威勢のいい掛け声か道場からこだまする
師範代 A(78)祖母
副師範 B(13)孫
この道場では一般向けに主に空手、合気道つまりは護身術を教えている
だかかなり歴史は深く殺人柔術としての成り立ちがあった
しかし現社会に於いてそのような教えは一切葬られていた
この道場では主に女性へ護身術として現社会に於いて自身で「身を守る」「心を鍛える」ものとして教えていた
今日もその鍛練の日々が始まっていた
『また、女性が襲われたらしいのぅ』
『え?そうなの?』
『何やらニュースでやっていたよ』
『私ならやっつけてやるのに』
『コラ、那乃女の子がそんな事考えるもんじゃありません!』
『でも、そんな奴等』
『間違っても、決して外で手を出したり首を突っ込んだりするんじゃありませんよ』
『えー!なら何の為の柔術なの?』
『この道場同様、自分の身を守る為、心を鍛える為じゃよ』
そう幼い頃から教えられて来た那乃だが、人一倍正義感強く育ってしまったが故にそのような事件に嫌悪感を抱いていた
そして
那乃高校1年
とある場面に偶然出会した
『なぁ、頼むよぉ』
『イヤです、無理です』
『そんな事言わずにさぁ』
『ちょっと、離して!やめて下さい!』
次の瞬間
『バシィッ!』
『おい、あんまゴネてると強制的に言う事きかせるぞ!』
『イヤ!イヤ!離して!』
『ねぇ、女性1人に対して男3人でナンパって、まるで脅迫だよね』
その言葉を受けて全員声の方へ振り向いた
『あぁ?何だぁ』
『何だ女か』
那乃はその言葉を聞き
『はぁ?ふざけんなよ』
次の瞬間
那乃は思いっきり踏み込み、最初に男一人を凄まじい蹴りで捩じ伏せる
『バキィッ!!』
『グハァ、ぐあ!』
『てめぇ、女だからって容赦しねぇぞ』
男共は慌てて身構えた
『来いよ!二人まとめて片付けてやるよ』
『このクソあまぁ!』
一人が煽られた形で那乃に突っ込んでいく
『ハァ!ハ!テリャァ!』
男はいとも容易く空中を舞いそのまま地面に叩き付けられた
『てめぇ、何かやってやがるな』
『だから何、怖いの?』
するといつの間にかかなりの人集りが出来てしまっていた
まるで格闘大会のような雰囲気の中一人の男が平然とその場の中を平気で横切ろうとした
那乃はその場に入ってくる男をこの男共の仲間と思い警戒していた
目の前の男は
『何の古武道か知らねぇが、そっちがその気ならやってやるよ』
男も何かの型を構えた
そして人集りの中から一人の男が那乃の背後に差し掛かった時、那乃は危険と勘違いしその男に攻撃を放つが
しかし
男は全く微動だにせず平然と那乃の攻撃を全て交わし、何事も無かったかのようにその場を横切り、人集りの中を歩いて行った
その事に気を取られていた那乃に目の前の男が正拳を入れた
『は?!』
那乃はギリギリのところで気付き
数分で目の前の男を捩じ伏せた
その状況に先程の女性と人集りの人が那乃に集まっていた
だが那乃は心の中で
「何なのアイツ?あたしの攻撃全て交わした?それに簡単に横切って行ったし」
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