「ただいま」を君に

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 シチューもサラダもぺろりと平らげ、デコレーションされたアイスケーキに歓声を上げる様子は、やっぱり子供だ。 『けいた お誕生日おめでとう』  メッセージが書かれたプレートは薄いクッキーで、「食べないでとっときたい」なんて言ってる。  大人と子供の間を揺れ動くこの時期を、一番近くで見守る立場にいられるのは、俺に与えられた試練なのか。それとも、ただ幸福に浸っていればいいのか。  自分なりにブレーキはかけている。高校生の間は手を出さない。そのあとは……彼が「ただいま」と、いつでも帰ってきてくれる存在になれたらと思う。大人になっても。何があっても。  俺の方は、この先、ほかの誰にも「ただいま」を言うつもりはない。  彼だけだ。
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