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そういうことを、こっちの心の準備ができていない時に言うんじゃない!
部屋の明かりの加減なのか、彼の瞳はどこか妖しげな色を湛えている。俺の願望がそう見せているんだろう。
「大人をからかうんじゃない。さっさと入ってこい」
「はーい」
姿が見えなくなって、ため息をつきながら考えた。今の発言は、「そう言ってくれるのは嬉しいけど冗談なら悲しい」っていう意味にならないか?
「まさか、知ってるわけじゃ……ないよな」
俺の、今はまだ告げないと決めた恋心。
シチューを温めながら、あの星空を思い出していた。
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