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初めて会ったのは、膝の上のこの子が二歳の時だ。中学に入ったばかりの俺をきょとんと見上げて、抱っこをせがんだ。小さい子を抱き上げるなんて初めてだったけど、胸にじんわりと、温かいものが広がっていった。俺の両親が死んだ時は、この子の前でだけ、涙を流すことができた。
「俺も、圭太がそばにいてくれると助かるんです。本当に」
もしかしたら一生、この恋を秘めておかなければならないとしても。それよりも前から、大切な家族なんだ。
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