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19-2
「ああ。このままだと寿命がのびないどころか縮まる可能性が高い」
「だからグラソンはしつこく俺に言っていたのか」
「そうじゃな。だがあやつも詳細は知らんのだ。成人の儀とは龍になると言う事じゃ。何がきっかけでなれるのかは本人しだいなのだ」
「……本人次第……」
「そうじゃ。ある者は鍛錬を極めた時に、ある者は目覚めた途端に。わしは国を守るために戦った時だった。規則性がないのじゃ」
「俺は別に竜人族でいても良いと思っているのですが」
「それは後継を弟のフラウに譲ると言う事か?」
「はい」
「はぁ。お前ってやつは。フラウはまだ7歳じゃ。もう少し考えてくれ」
父上の目が細くなる。縦に開かれる虹彩は龍の目だ。怒らせたか?
「もちろん。すぐに退くことはしません」
「そうか。後継よりも今は婚儀が先だしな」
表情が和らいでくれた。後継の話は難航しそうだが今すぐしないといけない問題ではない。
「ちなみに……。龍になることができれば性別に関係なく相手を孕ませることは出来るぞ」
「え?……孕ませる?え?」
「ああ。わしらは男性、女性関係なく番となる者に惹かれるからな」
「そ、そうなのか。では俺がルミエールに惹かれても何もおかしくはないのですね」
「当たり前じゃ。子供は可愛いぞ。わしはルミエールに似た女の子とか見てみたいとは思うぞ」
子供?俺とルミエールの?それは可愛いに違いない!世界一可愛いだろう!
「ところで、お前ルミエールの気持ちはちゃんと確認してるのだろうな」
「え?……気もちですか?」
「ああ。一方的ではあるまいな。相手の恋愛感情も確かめているのか?なにやらゴタゴタのうちに結婚するつもりだったわけじゃないよな?」
「……ぐ……それは」
「お前な、相手はヒトだぞ。それも王子だ。閨教育は済んでいるのか?竜人族の話はしたのか?お前まさかと思うがすでにむりやり……」
ううう。痛いところをつかれた。とにかく手に入れたくて焦ったことは認める。
「してません。まだです!まだ手はだしていません!」
「ならばこの機会に。落ち着いてからでよいのでじっくり話し合ってみるんだな」
俺たちはまだ恋愛的な意味で二人きりになったことすらないと言ったら父上はどんな顔をするだろう。
「では、そろそろ晩餐会の準備もできただろう。ルミエールを会場に連れてきなさい」
「はい。呼んでまいります」
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もうルミエールなしな生活は考えれないんだ……。
続きは明日の12時にて。
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