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「少しはこの城に慣れたか?」 「うん。シーヴルがよくしてくれるんだ」 「ありがたきお言葉。いたみいります」  そう言いながらシーヴルがカップにお茶を注ぐ。ユージナルは戸口で立ったままだ。壁になっている。 「何か足らない者や欲しいものはないか?」 「ご飯もちゃんと出してもらえているしあったかい服もあるし大丈夫だよ」 「そんなのは当たり前だ。もっと俺にして欲しいことはないか?」  して欲しい事かぁ。そうだ! 「じゃあ魔法の訓練をして!前に訓練してくれるって言ってくれいてたでしょ?」 「そういえばそうだったな。ルミエールは自分がどの属性が使えるか判定はしたのか?」 「判定? わからない。炎の国では火属性魔法が出来ないと相手にされなかったから」 「やはりな。いい機会だ。ちょうど母上にも会わそうと思っていた。明日午前の時間を空けてもらおう」 「母上って皇后さま?」 「そうだ母上は魔法判定ができる。俺も久しぶりにお会いすることになるな」  うぉ。緊張する。だって普段はあまり女性陣を城の中では見かけないんだ。女性が少ないのかと思ったけどどうやら客人の前には現れないらしい。と言う事はオレはまだこの城では認められてないのかな?ちょっと凹むなあ。  次の日はシーヴルが気合いを入れてくれた。髪も綺麗に整えられオイルでつやつやだし、こんなに女官さんが居たのかと思う程駆けつけてくれた。白いフリルのついたシャツに黒いブリーチズ。上からふわふわの白い毛皮のコートをきせられた。皇后さまに会うのって大変なんだね。 「ルミエール様って可愛い方だったのですね?」 「炎の国の方だって言うから私たちてっきり……」 「ええ。こんなに話しやすい方とは思わなくて」  はは~ん。どうやら筋肉バカが来たと思われていたんだな。まあ仕方ないか。実際オレも格闘技好きだしな。 「これからよろしくお願いしますね」 「ええ。もちろんですとも。お妃修行もなさるのでしょう?」 「へ?……そうなのかな?」  ん~、まあ細かい作業は嫌いではないけど。オレに出来るのか? 「さあ行こうか……綺麗だ。可愛い……」  イスベルクが来てくれた!わあカッコいい!正装じゃん。金銀の肩から胸の前まで飾りひもが垂れ下がっている。白い軍服って素敵だあ。また耳が赤いよ。きっとこれは照れている? 「イスベルク様。早くいかないと陛下に叱られますよ」 「ああ。そうだった」 「ふふ。今日もイスベルクはカッコイイね」 「ぐふ……」  あれ?なんか変な声がイスベルクから聞こえたような? ~~~~~~~~~~~ 「皇后さまに会うのって緊張する~」 続きは明日の12時にて。
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