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24-1 プロポーズ
「ルミエールはイスベルクの事をどう思ってるの?」
「どうって……?」
「好きなの?まさか嫌いなのにいやいや居るの?」
「そんなことありません!好き……なのかな?」
オレはもう帰るつもりもないしこの国に住むつもりでいる。イスベルクの事も嫌いじゃない。でもイスベルクはどうなんだろう。可哀そうだったオレをミスリルと交換して連れだしてくれた?オレは対価だったのでは?
「きっかけの理由は何にしても一緒に居る事はいやではないのね?」
「もちろんです。僕は……オレ……は?」
オレはイスベルクが好きなんだろうか?だとしてもオレの気持ちを押し付けてはいけないだろう。イスベルクは優しいから貢ぎ物のオレを伴侶って呼んでくれてるのに。
「ごめんなさい。私がいろいろ話しすぎたのね。頭の中で整理が出来ていないのでしょ?」
「そうみたい?……です」
「イスベルクは無口で見た目は怖いけど真面目な子なのよ」
「いえ。イスベルクは優しいしカッコいいし照れたところが可愛いです!」
「まあまあ。あらあら。そうなのね。ルミエールの前ではそうなのね?」
「ええ。まあ。そんな感じだと……」
「あの子がそんな風に感情豊かになれたなんて。よかったわ。私にはできなかったから」
ネージュ様はうっすらと涙を浮かべていた。
「ルミエール。ひとつ助言をすれば、貴方は魔力を受け取る器がかなり大きいのよ」
「器ですか?」
「イスベルクは身体の中で作り出される魔力のチカラが大きいのでときどき発散させないといけないの。対して貴方は魔力を受け取ることが出来る。これって相互関係の相性がすごく良いのよ。体力さえ戻れば容易にできるようになるはずよ」
要するにイスベルクのチカラが暴走する前にオレに魔力を渡せばいいって事?へえ。じゃあオレはそのもらったチカラを使っていいってことなのかな?
「それに二人でいると幸せそうに感じるわ」
「……はい。ありがとうございます?」
「ウフフ。なんで疑問形なの?今日は楽しかったわ。またお話ししにきてね」
ネージュ様は少し疲れた感じで席を立った。長時間イゴール様と離れると体に支障がでるのだろうか?
部屋に戻る途中で宰相のグラソンに呼び止められる。
「いいですか。なんと言おうとしきたりにそって式をいたしますからね!これは国の行事になるのですから」
「それはイスベルクに説明してください」
なんだ?けんか腰じゃないか?仕事が忙しくてイライラしてるのか?
「それは。わかってますよ。貴方にも釘を刺しておこうと思いまして」
「僕はイスベルクの意向に合わせるだけです」
「良い回答ですね。明日からまたマナー特訓です。式は招待客がかなりの人数になりそうですから」
うげえ。そんな大規模なことになるの?
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「自分の気持ちを自覚をする」
続きは18時にて
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