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それから私たちは、マルジン先生の本について語り合った。
オチの付け方について論評したり、作風についてこき下ろしたり、マルジン先生という人物について、あれやこれやと妄想を膨らませて。
あっという間に時間が過ぎて、閉館時間がやって来た。
「あ、明日も、図書館にいる?」
「……はい」
「じゃあ、明日も同じ時間に、どうかな?」
「はい。た、楽しみです」
「……ぼ、僕もだよ。それじゃあ、途中まで一緒に、帰る?」
「は、はい」
「敬語はやめてよ。同級生なんだしさ」
「は、う、うん。わかた」
魔力なしが恨めしいと、今日ほど思った日はない。
この時間を引き伸ばす魔法がほしい。
……でも、もしかしたら使えるかも。
魔法が効かないはずの私には、ちゃんと魔法がかかっているから。
どんな魔法なんだろう。
帰りながら教えてもらおう。
どんな魔法で、私を夢中にさせたのかって。
かつて私を夢中にさせた、マルジン先生なら分かるかな。
よかったら教えてください。
彼に直接聞くのは、ちょっとだけ気恥ずかしいので。
――――作者より――――
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