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「私は魔力がないので魔法は使えないです」
「……え?」
あ、しまった。
ついうっかり言ってしまった。
別に隠しているわけじゃないけれど、魔力なしは白い目で見られがちだから、あまり言わないほうがいいんだけど。
興奮のあまり、つい口走ってしまった。
「そういうことか!」
すると彼はなぜか、世紀の大発見でもしたかのように飛び跳ねた。
「君に魔法が掛からなかったのは、そういう理由だったんだね!」
「え?」
「視力が回復する魔法をずっとかけてたのに、なぜか君にはかからなかったから、おかしいなと思ってたんだよ」
「……なんでそんなことするんです?」
「……あ」
魔法を試しているのは知ってたけれど、まさか視力を回復させようとしてただなんて。
そういえば、バズーカアフタヌーンティーにもそんなシーンがあったなあ。
たしか、ヒロインであるイブニングに一目惚れした主人公が、どうにかして気を引くために、取っ手の外れたイブニングのティーカップを直してあげたんだっけ。
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