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真っ白い丸いテーブル。彼の真向かいに座ってはみたものの、何をしゃべったらいいのかさっぱりとわからない。
「セシリア。おまえ、年はいくつだ?」
「七歳です。もう少しで八歳になります。シオンさまは?」
「十三だ……うん、十年後に結婚しよう。俺はおまえが気に入った」
なぜ急に結婚の話になるのか、セシリアにはさっぱりわからない。
「いやです。セシリアは結婚しません」
「あぁ?」
セシリアの答えが面白くなかったのか、シオンは紫の目でぎろっと睨みつけてきた。
「おまえ。俺がロックウェルの第二王子だと知っていたんだろ? こうやって身分を明かさずにいたのに。俺に気がついたのは、ケアード公爵以外にはおまえだけだ」
「ロックウェルの王族の方は、髪の色が特徴的です。と、お父さまが言ってました」
「なるほどな。さすが外交に長けているケアード公爵の娘だな。やっぱり、おまえ、俺の嫁になれ」
「いやです」
そこへティーワゴンを押しながら使用人がやってきた。テーブルの上にはお茶やらお菓子やらが並べられていく。
「シオンさま。これ、セシリアが作りました。食べてください」
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