3:大好きなお姉さまとひきこもります

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 セシリアには、なんとなくその名に聞き覚えがあった。おそらく謎の記憶が絡んでいるのだろう。だが、それ以上の情報もないし、記憶も流れ込んでこない。知っているのはモリスが賢者だということだけ。だから、彼女をこの屋敷に住まわせているが、もちろんモリスが賢者であることをエレノアも知っているし、両親にも手紙で知らせた。  また、モリスと一緒に暮らしてわかったのは、彼女は騒がしいところが嫌いだということ。だからエレノア目当てに屋敷にやってくるような人物は、風魔法を使って追い払っていた。エレノアだって風魔法の使い手だが、人を移動させるほどの強烈な魔法は使えない。  こうやってエレノアはみんなから守られているのだ。  そしてセシリアは、母親と同じ水魔法の使い手だろうと、モリスが言った。本来であれば十歳から通い始め津学園で、魔力の種別をみるのだが、セシリアはまだ七歳。学園にも通っていないからわからなかった。  最初はエレノアに魔法を教えてもらおうとしたのだが、それがうまくいかなかったのは、身につけている属性が異なっていたからだ、というのがモリスのおかげでわかった。
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