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「そうだね、エレノア。畑や作業場の見学は明日でいいから、今日はシング公爵をゆっくりともてなしてくれないか?」
「お父様は?」
「ケビンと話があるからね。近況報告を聞きたい」
ケビンも今ではフェルトンの屋敷の使用人たちをとりまとめる立場になった。
そして、片目をつむった父親を見て、セシリアにもピンとくるものがあった。たとえ七歳であっても、男女のあれこれには興味津々。
「では、エレノア殿。お言葉に甘えて、案内していただいてもよろしいでしょうか?」
そう言いながらもエスコートしようとするコンスタッドはスマートである。
さらに父親までお膳立てしようとしているのだから、少なくともコンスタッドは父親に認められたのだ。
セシリアは、真っ白いウェディングドレスを着てコンスタッドの隣に立つエレノアを想像し、むふっと笑みをこぼした。
けしてこれは未来視などではなく、セシリアの妄想である。
「あ、厨房にいってきます」
東屋にお茶とお菓子の用意をするようにと、使用人たちに伝えねばならない。
急いで厨房へと向かい、茶会の件を手短に伝える。彼らも意気揚々と、準備に
とりかかった。
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