3:大好きなお姉さまとひきこもります

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 それからセシリアは、執務室へと向かった父親にもお茶とお菓子を持って行こうと考えた。  ワゴンを押して室内に入ると、父親はケビンと難しい顔をして話をしているところだった。 「お父さま。お茶を持ってきました。このお菓子は、セシリアが考えました」 「そうです、旦那様。セシリアお嬢様は、こうやって砂糖を使ったお菓子を考えてくださるんですよ」  ケビンまで身を乗り出す。 「ほぅ、きれいなお菓子だね。色のついた氷みたいだ」 「はい、氷みたいな砂糖だから『さとう氷』と名付けました。ゼリーの作り方に似ているのですが、動物の皮からとったゼラチンと果汁を混ぜて乾燥させ、表面を砂糖でコーティングしました」  透明な器の上には、色のついた氷のような菓子がのせられている。それも、紫、黄色と二つの色があった。 「黄色はレモン、紫はブドウです」 「どれ、いただいてみようかな」  父親に食べてもらいたくて仕方ないセシリアは、フォークに『さとう氷』を刺し、口元へと運ぶ父親の様子を、じっくりと見つめていた。 「……これは、美味しいし、食感もおもしろい」 「お父さま。帰るときにはお母さまへお土産に持っていってくださいね」
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