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4:大好きなお姉さまに新しい出会いがありました
シオンたちは五日間、ケアード公爵邸に滞在した。これから王都セッテへ向かい、そちらも視察してくるのだとか。
もちろん、父親が彼らを案内する。そのついでに、砂糖の新しい販路も検討してくるようだ。
「お父さま」
顔を貸してと言わんばかりに、セシリアは手を振って父親を呼ぶ。
「どうした、セシリア。寂しいのか? お父様は寂しいぞ。かわいいセシリアと離れたくない」
父親がセシリアを力強く抱きしめた。
「あ、はい。寂しいのは寂しいのですが。イライザさまがどうされているか、確認してきてもらってもいいですか? 本来であれば、そろそろイライザさまが聖女さまだと公表されるはずなのです」
それは謎の記憶によるものだ。そろそろ王都では聖女誕生だと喜びに満ちているはず。
だけど、そういった話が聞こえてこないのだ。王都セッテとフェルトンではどうしても距離があるから、仕方ないのかもしれない。
「わかった。私のかわいいエレノアを傷つけたやつらだからな。どうしているか、確認しておくよ」
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