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「セシリア嬢。何も、今すぐエレノア嬢と結婚してロックウェルに連れて帰るというわけではないよ? そうだね、まずは結婚の約束だ。一緒にデートしませんか? というお願いをする。これならどうだい?」
エレノアとコンスタッドがデートする。
それなら何も問題ないだろう。
「それなら……いいですよ……?」
渋々といったセシリアの返事に、コンスタッドも苦笑した。
「なるほど。ケアード公爵よりもセシリア嬢の許可をとるほうが、難しそうだ」
「なんだ。今回の視察はコンスタッドの嫁捜しでおしまいか……」
さも残念そうにシオンが言う。
「アッシュクロフ王国に聖女が現れたというのは、嘘だったのだな」
「シオンさまは、聖女さまに会いに来たのですか?」
セシリアが尋ねると「そうだ」と返ってくる。
「聖女の治癒能力。それを頼りたかったのだが……まあ、いい。次の作戦を考えるだけだ」
「どなたか、具合が悪いのですか?」
「母上がな」
シオンの母となればロックウェル王妃。
(お身体が弱いのだわ。それをイライザが聖魔法で救って……あ、イライザの聖魔法を導いたのは、賢者モリス……)
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