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『ただいま九十分待ちです』と言う
アナウンスを聞いて 僕は愕然とする
娘ももう待ちくたびれているが
かと言って並ぶのを辞めるとは
決して言わない
人気のテーマパーク
人気のアトラクション
それを楽しみにしていた娘にとって
待ち時間に不機嫌になる事は、
あっても妥協する事は、無い
乗ると決めたからには、絶対に乗るまでは此処を動かない。
その決意は、見習いたい物ではあるが
付き添いの僕は、正直もう列に並ぶだけで疲労が溜まっていた。
アナウンスの言われた通り九十分
待った結果 娘の目的のアトラクションには、乗れたので娘は列に並んでいた時とはうって変わって上機嫌だった。
しかし乗ったアトラクションが
ジェットコースターだったので
僕は、列に並んだ疲れも相まって
倍 疲れてしまった。
「ただいま!」娘は、元気良く
自分達を待っていた妻とまだ乳児の
下の子の元へ駆け出した。
「おかえり!」妻は、下の子を抱きながら労う様に僕と娘を迎えた。
僕は、盛り上がってる妻と娘を遠巻きに備えつけのベンチに座りふぅ~っと
一息吐く。
顔をサンサンと太陽が輝く爽やかな
青空に向け....
ただ今は、少しでも長く休みたいと
心から願うのだった。
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