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その9 漁師気質
タクシードライバーになってから色々なお客様を乗せ、また色々なタクシーの使い方を見てきました。旅客はもちろん、搬送、体裁、寝室、懺悔室、会議室、談話室等々……。
でも、どうしても理解し難い人達がいました。
それはタクシーでパチンコ屋に行く人達です。
ギャンブルを一切やらない私にとってパチンコは『ひまつぶし』以外の何物でもないので、そこにタクシー代をかけてわざわざ出向くという考えがいまいち理解できなかったのです。自家用車でガソリン代を使って行く事すら首を傾げる位でしたから。
でも先日、同僚がこんな話をしてくれました。
札幌市内のあるパチンコ屋さんでお客様を乗せた時、そのお客様は千歳市のパチンコ屋まで乗ったそうです。料金は一万二千円以上。超ロングです。
事情を聞くと、
その日大勝ちをしたので、ちょっと贅沢をしようとJRをやめてタクシーを使ったとの事。そして友人と待ち合わせをしている千歳市のパチンコ屋に行き、そこで再び友人とパチンコをして飛行機で東京に帰るとの事でした。
タフですねえ。
そこで私は思いました。
こういう人達は根っからのギャンブル好きで、何万円もつぎ込むのが当たり前という感覚なのでしょう。だからたまに勝った時はそれを使わずにはいられない。
この感覚って、まさに大物を狙う漁師ですよね。
獲れないのが普通で、たまに獲れたらラッキー。
農民気質の私とは真逆の人達で、それ故理解し難いのでしょう。
なるほど。
その人達にとってはパチンコは大きな趣味でしょうから、私はそれに対して口出しするつもりはありません。でもお金は有限ですからね。ご利用は計画的に。
『いつまでも あると思うな 親と金』
2024.10.27
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