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「い、イクヤ……」  指を絡ませて握ると、ナオの手は熱かった。ナオを引き寄せ唇を吸うと、もっと熱かった。これでナオに言い訳しなくても触れる。そう思ったら一気に俺の顔も熱くなった。  唇を離しただけのナオの顔が、拗ねたように唇を尖らせる。 「やっぱり慣れてるんじゃないか」 「俺が? まさか」  そう言って、俺はナオの身体をひっくり返した。素直に身体の位置を変えたナオは、眉を下げてこちらを見ている。 「懇切丁寧に教えてもらったんだ。ナオを抱く時にこうすればいいって。その一度だけだよ」 「な……っ」  だったらなおさら、もっと早く告白すればよかったのに、とナオは悔しそうに唇を噛む。 「できるわけない。大事な……ずっと大事な宝物だったから。傷付けたくなかった」 「……っ」  頭を撫でるとスルスルと指の間を抜けていく髪。大きな目が見開かれて、みるみるうちに潤んでいく。 「でも性欲だけはどうしようもなくて……ごめんな」  ナオの額にキスをすると、ナオは視線を泳がせた。どうやら照れ過ぎて言葉が出ないらしい。なるほど、起きた時に怒鳴らなかったのは、照れていたのか、とナオがさらにかわいく見えた。 「そいつのこと、俺だと思って抱いたってことかよ……」  うん、と俺はナオの上唇を吸う。そしてそのまま首筋に唇を這わせると、体温で上がってきたナオの香りが、俺の鼻をくすぐった。 「お、俺、初めてだから何も分かんないぞ?」 「大丈夫……」  チュッ、と音を立てて首にキスをすると、ナオは肩を竦めた。耳元で「俺を抱きしめてて」と言うと、おずおずと伸ばされた腕が、俺の肩に回る。 「ナオ、力抜いて、目を閉じてて」 「ん……」  同じ唇とは思えないほど柔らかく、ぷるんとしたナオのそれに吸い付く。軽く音を立てるとナオは恥ずかしいのか、ひく、と反応した。かわいい。  いくつかキスを落とすと、今度は唇を舐めてみる。するとナオは声を上げて目を開けた。反応が初々しくてかわいいなぁ、もう。 「ち、ちょっとは手加減しろよっ」 「手加減? まだキスだけだよ?」  まだ文句を言いそうだったナオの口をキスで塞ぎ、ぬるりと舌を入れた。ナオの両腕に力が入ったのが分かって、俺は宥めるようにナオの胸を撫でる。そのままみぞおち、腹、腰骨まで撫でて、同じ場所を通ってまた胸に戻す。すべすべで柔らかい。本当に同じ男とは思えないほど、綺麗な肌だ。 「ふ……っ」  ナオが切なげに息を吐く。俺の指が胸の突起を掠め、そこを指の腹で優しく撫でると、ナオから高く掠れた嬌声が上がった。 「……ここ、もうあまりひとに見せるなよ?」 「み、見せるわけねぇだろっ、プールだって嫌だったのにっ」 「うん。俺もナオが注目されてて、いい気分じゃなかった」 「──あ……っ、んん! ちょ、恥ずかしい……っ」  ピン、とそこを軽く弾くと、ナオは肩を震わせしがみついてくる。次第に熱く湿ってくるナオの肌は、とろりとしてなめらかで、ずっと触っていたいしナニをこすり付けたいと思った。  でも今はできない。目的はナオをメスイキさせて、部屋を出ることなのだから。  俺はあらゆるプレイを妄想しながら、ナオの身体を愛撫する。付け焼き刃的に覚えた俺の愛撫でも、ナオは十分感じてくれているらしく、ナオの薄い色のアソコは充血しているようだ。 「ここも、誰にも見せるな」 「あっ、……んなとこ、見せるわけないだろっ」  ナオの先端をちょっと擦ると、ナオは簡単に腰を震わせる。こんなにかわいくて敏感なのに? と俺が言うと、ナオは分かりやすく狼狽えた。 「か、か、かわいいとか! 言うなよ恥ずかしい……っ!」 「そう? ナオはかわいい。ずっと俺の宝物だ」  ナオの充血した先端を優しく撫で、胸に口付けるとナオは身を捩って悶える。高く掠れた声が俺の耳をくすぐって、ズクン、と下半身に響いた。その声をもっと聞きたい、と手を動かすと、顎を反らしてナオは首を振る。 「あっ、……ダメっ、イクヤ……っ!」  背中に回された腕に力が入り、落ち着かなく握る場所を探し始めた。いきそう? と尋ねるとナオはひときわ大きく息を吐く。 「──あ……っ!」  ナオの先端から白濁した体液が飛び出した。俺はその恍惚とした表情を見逃すまいと、ナオをじっと見つめる。それに気付いたナオは両腕で顔を隠してしまった。残念。 「見んなよ恥ずかしい!」 「え、そりゃナオの顔、ずっと見てたいし」  そう言いながら、今まで視線が合った時に睨まれたのは、照れ隠しだったのかと気付く。そう思ったらますますナオがかわいくて、顔を隠す腕にキスをすると「うっ」とナオは呻いた。 「かわいい」 「か、か、かわいいとかっ、よくそんなセリフ言えるよな!」 「え、どうして?」  今しがた達したせいか、腕まで赤くなっているナオは、全然顔を見せてくれない。お前ばっかり余裕でムカつくと言われ、俺は笑った。 「余裕なんかないよ? でも、ここから出ないとだから」 「……う」  俺はナオに四つん這いになるように言った。恥ずかしがったナオは散々ゴネていたけど、部屋を出たら何でも言うこと聞くから、と宥めて四つん這いにさせる。メスイキできるまで時間がかかるだろうし、この方がナオも楽だろう。  先程垂らしたローションは少し乾いてしまったようだ。改めてローションを蕾に塗ると、ナオは布団に顔をうずめてしまう。 「痛い?」 「恥ずかしいんだよ! ばか!」  痛くないなら大丈夫か、と俺はナオの竿も撫でつつ、ゴムを指に着け、周りを撫でたり揉んだりして解していく。どうでもいいけど、ナオはこんなところも綺麗でかわいいんだな。
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