Daddy

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「お父さんね、あなたが小学校に上がったタイミングで仕事が忙しくなっちゃってね〜。プラス口下手だから、こころからしてみれば行事にも来なくて無愛想で、自分のこと嫌っているのかなって思っちゃうよね。でも、お父さんはちゃんとこころのこと見てるよ」 母がニコリと笑いながら言う。私は次のページを捲った。 『こころ、小学一年生の運動会。仕事を抜け出してこっそり見に行った。リレーで一番最初にゴールしていた。いっぱい練習してたもんな。よく頑張った。ご褒美にこころの好きなお寿司を食べに行った』 『算数のテストで百点を取ったと言っていた。算数が苦手な友達に教えてあげたりしているらしい。こころは本当に優しい子だな。優しくて、人のことを思える素敵な人になっていっている。嬉しい』 『空手部の大会で優勝した。空手なんて、大怪我するんじゃないかと心配だった。でも母さんが撮ってくれた映像を見ていたら、そんな心配も吹き飛んだ。あんなに体格差がある選手と戦って勝ったなんてすごい!さすが俺の娘!』
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