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その白くて薄い胸元に、古張の坊主頭をそっと抱く。
乱暴に刈られた髪は長さも不揃いだ。
「あの、いっそ。
バリアートしましょうか?
お店の名前HARU4文字なら、この辺りに綺麗に収まります」
「へえ?
バリアート出来るん?」
「はい。結構得意です」
ふ、と小さく笑うと。
珍しく古張が明るい声を出す。
「ええな。
ほんでピンクとグリーンに染め分けようで。
春いうたら、桜色やんな」
そして首を伸ばして、軽くキスする。
「智春のHARUでもあるしな」
「一番始め」
静かに智春が言葉を返す。
「自分の幸せにつながる恋をしなさいって、教えて貰いました。
オレすごく幸せです。
だから必ず、古張さんを幸せにします。
そしたらいつか。
直接じゃなくても。何か違うカタチで。
息子さんの幸せに協力することも出来る気がします。
だから2人で。
すごく幸せに、なりましょう」
ゆっくりと。
今度は智春の方からキスをすると。
2人は。
もう何もどんな力でも離せないくらい。しっかりと抱き合った。
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