怪しい女

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麓を降りると遠く離れた町に出た。見通しの利かない夜だけに、かなり遠回りをしてしまったようだ。俺は背もたれを上げて拘束を解くと女に謝った。 「ごめん、道を間違えて○○町に出た。すぐに引き返すから何処に行けばいい?」 女は上体を起こすとシートに座ってサイドガラスから外を眺めて呆れていた。 「ここって○○町でしょ?あなたって凄い方向オンチなのね。市外に出てるし、○○市の方に引き返してくれる?」 俺は慌てて市内に車を飛ばして走らせた。なんだかんだで争いの原因を作ったのは俺自身だし、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。 ″俺が方向オンチじゃなければこんな事に、、″ 今は恥ずかしさでいっぱいだ…。
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