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「星、見に行かね?」
どこか真剣な顔で言った勝山日向に対し、海野凛は「あんた、熱でもあんの?」と訊いてしまった。目の前の男が真剣な顔をする時は、宿題をするのを忘れて答えを写させてほしいと頼んでくるシーン以外に見たことがなかったためである。
「酷くね?俺、真剣に誘ってるんだけど」
口を尖らせる日向に対し、凛は「ごめん。びっくりして」と謝る。そして疑問を口にした。
「日向って星好きだったっけ?」
「いや。特別好きってわけじゃねぇよ。ただもうすぐ流星群見えるらしいじゃん」
日向の言う通り、ここ数日の天気予報では週末に見えると言われる流星群のことをずっと話していた。
「凛は見るつもりなんだろ?流星群」
「家のベランダから見ようかなって考えてた」
「ならさ!山でキャンプしながら見ようぜ!」
「キャンプ?そんなのしたことないよ」
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