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入口からは奥まっている場所にいたエミーリアだが、リーダーが何を飲ませたのかははっきりと見えた。魔導灯の光に反射して、揺らめく光を放っていたのは魔石だ。それを人が飲み込めるように小さく砕いてある。
「かっ……。あ、あぁっ……」
倒れていた男のどくどくと流れていた血は止まり、傷口が塞がっていくように見えた。だが彼は苦しそうに胸元を抑え込んでいる。
「知ってるかい? 魔石にはね、こうやって人の力を高める効果があるんだよ。怪我をした者ならば、このようにすばやく治癒ができる。素晴らしいじゃないか」
ドクン、とエミーリアの心臓が震えた。いつの間にか黒服の人間が隣にいる。
「黙って向こうに移動しろ」
魔導銃の先を脇腹に突き付けられた。ちらりと周囲に視線だけ向けると、側にいた客やイレーヌも同様に魔導銃を押し付けられ、震えている。
連れていかれた先は、奥にある特別室であった。狭い空間に人を押し込めたほうが、監視は楽なのだろう。
「ママ」
ママの顔を見つけたイレーヌはそのまま彼女に抱き着いた。よほど心細かったにちがいない。
「いいな。ここで大人しくしてろ」
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