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「お兄様。この建物内の見取り図を」
第五部隊では、マヤン全体の地図や、建物の見取り図などを資料として保管している。その中から、アルフォンスはこの娼館の見取り図を持ってきていた。それを広げると、手にしていた魔導灯の光を地図に当てる。
「おそらく、柱は、ここの四カ所です」
「破壊できるとしたら、この場所か?」
ローランが一か所を示す。そこは彼らが集められている特別室からも、入口からも最も遠い場所。
「見張りはこことここにいます。ですから、その場所であれば」
「どうやって中に入る? 堂々と表からはいけないだろう?」
アルフォンスの指摘はもっともである。
だが、エミーリアには考えがあった。きっとローランも同じ考えだ。
「通気口を使います。私なら、そこを通ることができますから」
目的の場所に通じる通気口を地図から探り当てる。
「できれば、上からのほうがいいだろう。柱の場所にだって見張りがいる可能性はあるからな」
ローランが示した一か所の通気口。それは目の前に繋がっていた。
「私が結界を破ったら、すぐに突入してください。私も結界がなくなったらすぐに魔法で彼らを取り押さえます」
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