第八章

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 ほっと安心したエミーリアは、そのまま奥へと進む。 (結界の柱は、倉庫に築かれているはず……)  明るい場所をやり過ごし、ふたたび暗闇の中を進む。  自分の息遣いが異様に大きく聞こえた。それでも落ち着いていられるのは、ローランが近くにいてくれるからだ。それに、第五部隊の魔法騎士も控えている。何かあれば、彼らが動いてくれる。一人ではないという事実が、彼女の心を強くする。 (ここね……)  エミーリアは倉庫の真上に来た。下を覗き込んでも暗い空間が広がっている。 (結界の柱には魔石が使われている。その魔石を壊せば、柱が崩れ、結界は破られる)  通気口を塞いでいる格子網をはずして、エミーリアは下へと飛び降りた。  外から感じた場所はここで合っている。この場所に結界の柱が築かれているはずなのだが。 (魔力が吸収されてしまうから、感じない……。わからない……)  ドキドキドキと心臓が急に音を立てた。エミーリアは苦しくなって、胸元で拳を握りしめる。 (大丈夫。吸収される魔力よりも、放出される魔力を大きくすれば……)  それだけの魔力がエミーリアにはあるのだ。 (あった、あそこ)
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