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倉庫の奥にある棚の脇に、何かが光って見えた。
その瞬間、背後で扉がカチャリと開く。
「変な気配を感じてきてみれば……。お前、どこからここに入った」
黒服の男の手が伸びてくる。エミーリアはすぐに駆け出し、目的の柱へと大きく足を踏み出した。
「おい」
すぐに男が追ってくる。狭い空間。それでもエミーリアは、柱を壊す必要がある。
力強く床を蹴り、最後の一歩で魔石を踏みつけた。
「貴様、何者だ。……んぅっ……」
魔石を踏んだ途端に、結界は綻び始めた。その綻びを狙って、エミーリアは魔力をため、追ってきた男に魔法を放つ。
男の身体は崩れ落ちる。
(早く、みんなを助けなきゃ)
男の身体を大きくまたぐと、扉を開けて倉庫から飛び出した。
しかし、エミーリアの行く手を阻む者がいる。それも複数人、五から六人程。
「お前……、魔法騎士か。どこから入った」
誰もがそう思うのだろう。だからといって素直に答えるエミーリアでもない。
ぎろりとエミーリアは目の前の男を睨みつける。どこかで見た顔だと思ったら、あのリーダー格の男だ。
「リーダー。柱が……」
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