第八章

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 倉庫の奥にある棚の脇に、何かが光って見えた。  その瞬間、背後で扉がカチャリと開く。 「変な気配を感じてきてみれば……。お前、どこからここに入った」  黒服の男の手が伸びてくる。エミーリアはすぐに駆け出し、目的の柱へと大きく足を踏み出した。 「おい」  すぐに男が追ってくる。狭い空間。それでもエミーリアは、柱を壊す必要がある。  力強く床を蹴り、最後の一歩で魔石を踏みつけた。 「貴様、何者だ。……んぅっ……」  魔石を踏んだ途端に、結界は綻び始めた。その綻びを狙って、エミーリアは魔力をため、追ってきた男に魔法を放つ。  男の身体は崩れ落ちる。 (早く、みんなを助けなきゃ)  男の身体を大きくまたぐと、扉を開けて倉庫から飛び出した。  しかし、エミーリアの行く手を阻む者がいる。それも複数人、五から六人程。 「お前……、魔法騎士か。どこから入った」  誰もがそう思うのだろう。だからといって素直に答えるエミーリアでもない。  ぎろりとエミーリアは目の前の男を睨みつける。どこかで見た顔だと思ったら、あのリーダー格の男だ。 「リーダー。柱が……」
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