第八章

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 たったそれだけの言葉であるのに、リーダーの男はすべてを悟ったようだ。 「お前か」  男の手には魔導銃がある。もちろん、その先端はエミーリアに向けられていた。  エミーリアは鋭く魔導銃を睨みつける。男が引き金を引くより先に、魔導銃がカタンと音を立てて男の手から離れた。 「なっ……」  エミーリアの魔法が目の前の男たちの自由を奪っていく。縛られたわけでもないのに、目に見えぬ縄で拘束されたかのように、彼らは四肢を硬直させた。 (すごい……。私には、これだけの魔法が使えたんだ)  事故以降、自分の意思で魔法を使うのは禁じられていた。家族に魔力を与え、あとは授業で必要な魔法を使うときのみだった。  自分の意思で動いたのは、ローランへ魔力を与え交感し合った、あのときが初めてかもしれない。 「くっ……、うぅ……」  自由を奪われた男たちは、苦しそうに顔を歪めてエミーリアを凝視する。だが、エミーリアは彼らを抑えている力を緩める気はない。  バタバタと複数の足音が近づいてきた。  最初に駆けつけてきたのは、アルフォンスである。 「よくやった。あとは俺たちが引き受ける」
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