第二章

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 食堂で食事を選んでいると、ちらほらと他人の視線が気になった。いつもよりも見られているような感じがする。 (なんでだろう? 私、何かしたのかしら。できるだけ、目立たないようにしていたつもりだったのに)  そもそもエミーリアは有名人である。グロセ家の娘でありながら、魔法騎士になれなかった者として、その名は知られていた。さらに、姉のフリージアによく似た容姿であるから、エミーリアを知らない者もフリージアさえ知っていれば、エミーリアをエミーリアと認識できるのだ。  そんな蔑むような、同情のような視線はいつも浴びていた。だが、今日はそれとは異なる視線がまとわりついている。
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