94:蟻の“倉庫”もどき。

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――コインをほどよくまとめたあとで、再び先行。 まとめてる間に、りにゃを運んでる蟻との距離が縮まってたから……のんびり自転車くらいだとしても、着実に進んでるのは違いにゃさそう。 既に、歪んで見えてにゃい小部屋があるだとか、そう言うことはにゃくて……目的地はこの先だと言う証拠でもある。 「りにゃー、先生にサーチした時の距離感と言うか、どのくらい向こうだったのか、聞いてほしい。」 「はいですー。」 ――りにゃ、にゃかつぎ(中継ぎ)。 「感覚的には極端な遠さではなかったのでぇ、もうすぐ“違和感”を覚えてもおかしくないかもでぇす。」 『音羽ちゃん!! ドカンとする時にはちゃんと言ってね!!』 思ってるよりも衝撃は強そうだにゃあ。 高速列車は、トンネルに入る時に、空気の圧縮とかの関係で、反対側ですごい音がする……だから、新幹線は、その空気圧縮を減らすため、ああ言うカモノハシみたいにゃ流線型にしている……みたいにゃことを聞いたことあるし、そう言うのが起きてるんだろうか。 『雷撃だから、残るのは音と衝撃なんだよ……光は押さえてるから、それほどでもなかったけど。』 『逆に、西町さんはご無事なのですか……?』 「わりと? まぁ、目とか耳はガードするけど、胡桃パワー。」 『胡桃ちゃんつよい。』 あとは、雷撃無効化アイテムのおかげかにゃ。 相乗効果で、かにゃり平気。 ――……で。 「サーチし直してみまぁす。」 サーチしにゃおすと言う報告は、ギリギリ聞こえてるっぽいけど、私からヒロたちににゃかつぎ。 『これで、委員長の真正面とかだったら、焦るねぇ。』 『西町さんが、違和を感じていらっしゃらないようですから……まだ、少なからず距離はあると言うことかとは存じますが……』 「結構な距離は感じたので、近くてもおかしくないくらいだと思うんですけどー……」 “この世界”の洞窟とかの距離感覚とかは、通常ダンジョンでもおかしくにゃりがちだし……既に私たち、そう言う幻惑だとかトラップだとかで感覚が狂わされたこと、にゃんかい(何回)かあるから疑心暗鬼だ……。 閉鎖空間だから、進んでる感覚があんまりにゃいのかにゃ。 「出ましたぁ、そこからポーションなどで攻撃してもー……ギリギリ届かないくらいだと思いまぁす。」 「ふむ……もう少し先で、本来だと急に開けるタイプか。」 気付きにくい仕様に、認識阻害が掛け算されてたらしい。
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